診療科:消化器内科 紹介

   当科は、土曜日特殊外来として、熊本大学消化器内科から非常勤の派遣が始まり、現在も月2回ではありま すが、継続しています。常勤医としては、平成21年4月から派遣が始まりました。1年目は2人体制でしたが、 平成22年からは3人体制、平成28年より、4人体制で診療させて頂いています。診療内容は、消化器疾患を 外科と連携し行っています。
   消化管疾患は、急性胃腸炎や出血を伴う胃・十二指腸潰瘍、大腸憩室出血、虚血性腸炎などの緊急疾患 をはじめ、上下部内視鏡検査・NBI拡大内視鏡検査により食道・胃・十二指腸・大腸の腺腫や癌、胃十二指腸 潰瘍、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病など)等の診断並びに治療を行っています。大腸ポリープ 切除や早期の食道癌・胃癌・大腸癌に対しては内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)や内視鏡的粘膜切除術 (EMR)などの内視鏡治療を行っています。また、食道静脈瘤の破裂時や破裂予防の内視鏡的硬化療法 (EIS)・内視鏡的静脈瘤結紮術(EVL)や胃潰瘍、十二指腸潰瘍からの出血時の緊急内視鏡的止血術も行っ ています。
   肝疾患については、急性肝炎や肝膿瘍、肝細胞癌破裂などの緊急疾患をはじめ、慢性肝炎、肝細胞癌など の精査・治療を行っています。C型慢性肝炎は95%以上でHCV排除が可能な経口薬による抗ウイルス療法 や、B型慢性肝炎はインターフェロン療法や、核酸アナログ製剤による治療を行っています。肝細胞癌は診断 や治療(化学療法や免疫療法、肝動脈塞栓療法(TAE))を放射線科と協力し行っています。その他にも、増加 傾向である非アルコール性脂肪肝炎(NASH)や特殊な自己免疫性肝炎や原発性胆汁性肝硬変なども診療 しています。
   胆道・膵疾患に対しては、急性膵炎や急性胆管炎などの緊急疾患や閉塞性黄疸、膵癌、胆管癌などの精 査・治療を行っています。胆管炎の緊急処置として、緊急内視鏡治療(内視鏡的逆行性胆道ドレナージ術)など 行っています。総胆管結石などは、内視鏡的逆行性膵胆管造影(ERCP)を行い、内視鏡的乳頭括約筋切開 術(EST)など行いながら、採石まで行います。必要時、経皮経肝胆道ドレナージ(PTCD)、メタリックステント 留置術も行っています。
   以上のように、消化器疾患を全般的に行っています。外科とも密接な連携をとることで、患者様が、より安全に、 そして、より安心して治療を受けて頂けるよう心がけ、頑張っていきますので、これからもよろしくお願い致します。

当院での最近の内視鏡件数
  2023年 2022年 2021年 2020年 2019年 2018年 2017年
GF 1674 1692 1861 1872 1936 1926 2051
食道ESD 9 4 2 6 5 8 7
胃ESD 40 35 38 54 32 43 51
CF 1285 1243 1260 1172 1250 1229 1288
大腸ESD 11 15 16 27 25 32 19
ERCP 244 266 294 349 275 217 226